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術後八日目 [闘病記]

朝、目覚めて最初にすることは、メールチェック。ところが、おかしい。Wi-Fiがウマく繋がっていないようだ。電波干渉?セキュリティーに見つかった?電源オフして再起動するも、電波は掴むがネットには繋がらない。今後、入院中のネット環境がiPhoneだけになるのは、ちょっと厳しい。困ったなぁと思いつつ、このことでネットする時間が減れば、入院前に予定していた勉強や読書ができる。その方が有意義だろうとプラス思考で考える。最後に考えられる方法、モバイルルーターのアップデートを試みる。リセットするための細い棒がないので、ひな飾りの造花、梅の枝先を使う。アップデート完了後、何もなかったかのように、ネットに繋がった。良かった~。プラス思考でネット時間を減らすチャンスなんて言ってたが、本音は違った訳。でも、Wi-Fiのトラブルで仕方なくネット時間を減らされるのは困るが、自分の意志で減らすことは必要だと気付く。
その後、昨日ネットで調べていたベッド上での便秘体操をする。腹式呼吸、片足づつ抱え込み、俯せになり足バタバタ、自転車こぎ。どの動作も傷にひびくが、我慢できる痛み。でも、やり過ぎは禁物なのでほどほどにした。
知り合いの外科医、学会講演前にもう一度立ち寄ってくれた。今回のお礼を心から告げ、握手。31年続いた細くて長い腐れ縁。感慨深かった。

その後、トイレタイム。便意はなくても、毎朝一定時間は便座に座ると決めたのだ。ちょっと、したいかも。ウォシュレットで肛門刺激。あ、今なら出そう。

出た!
量は少ないけど出た!やった~。
一応、看護師さんに観便してもらっておこう。「うん、いい便ですよ。茶色、有形便。ちょっと血が混じってるけど、気にする量じゃない」「今後は、便がでても、もう見せなくていい?」「そうですね。よっぽど血の量が増えたりでなければ、流してもらっていいですよ」とのこと。しばらくして、研修医くんと看護師さん来室。「今、便が出たんです」と報告。「良かったですね。でも、便の出る、出ないにこだわり過ぎないように。ガスさえ出てたら大丈夫。拘ると、余計出にくくなるから」と言われる。そうだった。便秘に悩むと便秘になる。大腸は第二の脳と言われるほど、精神的な影響を強く受けるのは、医療者として当然知ってたが、あの長さの腸を切ったとなるとそれは別。ついつい、ナーバスになる。でも、今日の初便で安心できたので、今後はあまり気にしないようにしていこう。でも、看護師さん達の申し送りで私が言われていることが想像できるな。「熟睡できないので、夜中目を覚まし、ベッドの中で携帯を触っています。日中は、ベッドに横たわることもなく、昼寝はしていないので、昼夜逆転はありません。本日、手術後初めて少量、濃茶色の有形便でてます。本人かなり排便に対し敏感になっているところがあるので、精神面での観察重視、フォローお願いします」ってきっと言われている。っていうか、私だったらそう申し送ってるわ。でも、便の観察してもらったのは、間違ってない。私自身が、排便に悩んでいる患者との関わりで何度か観察してきたし、ポータブルトイレの処理をするヘルパー達に便についての情報収集してきたしね。この辺りは、診療科の違いがあるのかも知れない。

術後3回目のシャワー浴。こわごわだった傷口の洗浄も、看護師さんからもっとしっかりシャワーのお湯をあてていいと聞いていたので、大胆に洗ってみた。今日の浴室には鏡がある。開腹したところの傷口、お臍から下に約10センチ弱、縦にあるだけ。野球のボールみたいなジグザグを想像してたが、医療技術は進化してるのね。というか、私が古すぎ?

午後、西宮よりM夫妻が来て下さった。持って来て下さったプリンを食べながら、手術当日の話をお互いにする。手術終了のメールが来ず、連絡の手段が全くなく、いてもたってもおられず、「行くしかない」の旦那様の一言で、駆けつけたところ、手術はまだ終了しておらず、私の親戚3名、友人3名とともに待合室で待機。手術終了後、通常、近親者のみで聞く主治医による結果説明もそのメンバー(M夫妻に連絡を受け、駆けつけてくれた友人を加え総勢9名)で、聞いたらしい。長時間かけて取り除かれた私の中のバカデカい悪い物を、みんなでガン見したそうだ。しばらく、焼き肉食べられないだろうな。きっと•••

びっくりすることが、あった。ここ数年、年賀状のやり取りしかなかった父方の又従姉妹が、私のブログを見て病気で入院中だと知り、慌てて連絡してきて病院まで飛んできてくれた。時折、私のブログを見て、私がどうしてるのかを見ていてくれていたらしい。実は、彼女も数年前乳癌を煩い手術している。その後は、癌になりにくい生活を研究し、それを癌患者に教えるボランティアをしていることは、年賀状を通し知っていた。いつ、彼女に相談しよう、取り敢えず手術終わってから?いや、退院してからでいいかな?入院前、手術前、手術後といつも気にかかっていたのだ。あの世の両親が「早く連絡すればいいのに、何してるん?」と業を煮やし、彼女にブログを見させたような気がする。彼女も、なんか虫の知らせで久し振りにブログを見たとのこと。彼女が言うに、多くの癌患者と関わり、ステージに関わらず助かる人、助からない人を見てきた。やることをやれば、癌は治せる。手術して取り切ったのだから。大事なのは今後の生活。手術前と同じことをしていたら、駄目。免疫力を高める方法を、いっぱい知っているからそれを一緒にやっていこう。早速、これを履いて寝なさいと、シルクの五本指ソックスを持ってきてくれた。足を冷やすのが健康に一番悪く、冷えとりのために五本指ソックスを二重に履く。内側は、シルクが抗菌作用、蒸れ防止効果があり最適。この話は別の親友からも教えてもらっていたので、凄くありがたかった。それと、これからはもっと我が儘になりなさい、嫌なこと、出来ないことは遠慮なく断るようにアドバイスされた。そして、今回病状が一気に進んだ原因は、マンションの理事長としてキャパシティを超えた動きをしたストレスだろうねと話す。彼女の夫もマンション理事長経験者で、私のこの半年間の苦労話をずっと聞いてくれた。話をしただけで、胸の仕えが一気に取れた。(そう、マンション理事長苦労話は、M夫妻にも何度か相談しており、私の病気が発覚時早く理事長職を退陣しなさい、それが許可されないのなら、俺が文句言ってやると援護射撃体制を宣言してくださり、あの時も嬉しかった。)
又従姉妹の夫曰わく、癌は早期発見をしたら内視鏡や腹腔鏡などの侵襲性の少ない手術で終わる。発見が遅い場合、薬物療法などの余計な治療が必要になるし予後が悪くなる。国の施策として、メタボ検診に加え癌検診も、国民に積極的いや強制的に受けさせれば、国家的にも医療費削減が可能なはず。それをしないのは、製薬企業界の圧力があるのだろうと、語っていた。圧力うんぬんは、別として、確かに早期発見してれば、こんな恐怖感を味わうことなく、治療ができただろうなと、自分の検査嫌いを後悔している。この又従姉妹夫妻、本当に癌について知識が豊富。これから、いろんな場面で頼りになる存在になると予見。またまた、私に新たな救世主登場といったところだ。

病状経過は緩やかな回復だが、いろんなお見舞い客とのエピソードを書き出すと、今まで以上に文章が長くなる。でも、数年後読み返した時にきっと私のバイブルになるはず。だから、勉強よりも今の感情、思いを言葉にして、文章に残す作業を何よりも優先しよう。

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