SSブログ

術後十二日目 [闘病記]

昨夜は、陣中見舞いでいただいた花王の「蒸気でホットアイマスク」と、CD「ぐっすり眠れるジャズ」効果で良質な睡眠を確保。5時前にスッキリ目覚めた。
いつも通り、便秘体操、ゆっくり朝食、リラックスタイム、トイレ誘導のルーチンをこなし、少量便。食べる量が少ないのだから少量で当たり前、焦らない、焦らないと、今度は軽くスクワット。(この行動、充分焦ってる)
すると、便意を感じ••••••
見事、中等量の有形便が!これで5日間連続。このように、日数をカウントするとプレッシャーになるので良くないとは思うのだが、医師や看護師に報告する際の具体的情報としては、「毎日出てる」よりは、「連続5日間」と言う方が明確だし。でも、そろそろアバウトにしていく時期かもね。
このように、手術そのものが成功だったことを実感できるようになり、私にもやっと余裕が出てきて、大腸癌のガイドラインを読むことが出来るようになった。それまでは、怖さのあまり医師から聞く説明以外を、調べることが出来なかったのだ。本当に小心者。ガイドラインを読んでいると、自分の手術はどのように行われたのか、興味深々となり、医師にも色んなことを聞けるようになった。まさに、コンプライアンスからアドヒアランスへと、シフトチェンジ。

精神科で働く薬剤師として、患者のアドヒアランス向上について、ずっと取り組んできたが、私のように「事実を知りたくない、知ることへの恐怖」が阻害要因の一つとなっている場合も多いのだろう。そんな患者には、急性症状が落ち着き回復への見通しがたち、本人の不安感が収まったタイミングで、疾病教育の導入をするのが妥当。医療者側が焦って時期を間違えないことが大切。或いは、本人が病気に対し抱いている潜在的な恐怖感を、対話を通して表面化し、その恐怖感を医療者として適切な介入をし軽減化するのも、戦略の一つ。

アドヒアランス獲得できたので、副作用の強い方の薬物療法FOLFOXについても、いろいろ勉強。中心静脈ポートを埋めた状態でも、ゴルフすることは可能。わずか5%ではあるが、内服よりは効果は高い。私の年齢なら、高齢者に比べ副作用にも耐えられる。うーん…でも、二週間のうち48時間も継続して注射に縛られるのは、やはり苦痛。私には、内服治療が無難。でもなんとなくお見合い相手を断る気分と似ている。感情的には、お断りだけど、冷静に考えたら果たしてその選択は間違ってない?
術後十一日目の闘病記を読み直し、内服に決めた自分の心境を、再度確認した。

今日は職場関係のお見舞い客が、続々と。入院が決まり、長期休暇をとることが確定した際、所属長という立場上理由を言わざるを得なかった。そのため、他部署の方にまでご心配をお掛けすることになってしまった。でも、皆さん一様に、せっかくの休みのチャンス、今まで頑張ってきたのだから、無理をせずゆっくり休んだほうが良いと温かく励ましてくれた。
今回の闘病体験により、私がどれほど多くの方から援助されていたのか改めて気付いた。両親は他界、一人っ子、親戚も少ない、しかも独身という状況。自分独りで生きている感覚に陥っていた。仕事にしてもそうだ。頭の隅のどこかに、自分一人の力で頑張ってきたという考えがあったことは、否めない。でもそれは完全に自分の思い上がり。職場の同僚、上司、部下、多くの友人、親戚たちの協力や援助が根底にあったからこそ、私が充実した人生を楽しめていたことに気付いた。そしてそのことを気づかせるために、今回の発病の意味があったのだと感じる。
本日最後の見舞い客は、直属の部下である薬局のメンバー5名。仕事を終え全員揃って来てくれた。「みんな、ごめんね。急に長期で休んで。」「いえ、いえ、お元気そうで安心しました。」「忙しいでしよ?」「••••••」5人とも言葉に詰まる。やっぱり忙しいのだ。ごめんね。
今来ている実習生の話や、4月から入職予定の新人2名の話題などをしていたら、職場にすぐにでも戻りたくなった。


image-20120301084812.png

iphone/image-20120301102959.png


術後十一日目術後十三日目 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。