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術後十八日目 (3月6日退院当日、午後) [闘病記]

顔そり後、自室に戻りパジャマから洋服に着替える。痩せたのでズボンに余裕が。久しぶりに軽くお化粧もする。先ほどの顔そり効果と、長い間メイクアップ化粧品を使わなかったことで、お肌のコンディションは絶好調。身体の中の毒をとったことも、影響しているのかな?病院で食べる最後の昼食。ゆっくり、ゆっくり味わって頂く。大食い、早食い、食べることが大好きで、ずっとだらだらと食べ続けないと満足感が得られなかった私。ゆっくり味わって食べるということが出来なかった私が、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり・・・30回以上咀嚼して出てきた唾液には、発がん物質を解毒する酵素が出る。時間をかけて食べることで、満足感、満腹感も出てくる。退院しても、継続していこう。
お部屋を彩ってくれていたアレンジメントのお花は、お掃除のおばさんにお願いして綺麗な花だけを残し、しばらくの間ナースステーションに飾って貰うことにした。この花籠を置いたテーブルで食事をしていたら、「ビストロスマップのゲストみたいですね」と看護師さんに言われた。なかなかユニークな喩えだったので笑ってしまった。
親友、後輩が迎えに来てくれた。ナースステーションに行き「お世話になりました」と挨拶。とても照れてしまって、一人一人ゆっくり顔を見て挨拶することができなかった。病棟師長が、スーツケースの上にくくりつけられているブルーアイちゃんを撫でながら「君ともお別れやね〜」。エレベーターにのりもう一度笑顔で「ありがとうございました」と心をこめて伝えた。
入院していた新館と、駐車場は病院の端と端に位置するため、けっこうな距離。その間に、外来部門、検査部門、レントゲン室、ヘアサロン、医療売店、コンビニがある。何度も、この廊下を歩いてきたがこの時の感覚は不思議なものだった。足が浮ついているような、ふわふわとした感覚。「退院してるんだ、自宅に元気になって戻れるんだ、嘘みたい」「両親が退院する時も、こんな晴れ晴れとした気分だったのかな。あの時は私も嬉しかったな」いろんな想いが走馬燈のように、頭の中でぐるぐる回っていて友人達の会話も上の空。それは自宅に戻るまでの車中でもずっとそうだった。どの景色を見ても、あの時の気持ちはこうだったな、あの日ここで昼食を食べた時はこうだったなと、手術前の自分の感情が次々と蘇り、思考のコントロールがつかない状態。時折、友人達の会話に入り冷静な自分を装ってみたりした。この二人、本当に足繁く通ってくれた。入院中だけではなく、入院前の検査、検査の時の付添や、病院間の移動、受診と検査の間にぽっかりできてしまった4時間の時間潰しにも付き合ってもらい、精神的にサポートしてもらえた。「家からここまで近いから大丈夫よ、遠慮しないで。元気になっていく姿を見るのが、嬉しいから来てるの」と、毎日のように来てくれた。他の見舞客がきたら、すぐに席を外してくれたり、手術当日は10時半から21時半まで病院に滞在してくれていた。手術中ぐっすり眠っていた私より、疲労の度合いは大きかったと思う。「せっかくだから、デザート買って帰ろう。我が家でちょっとお茶して帰って!」「いいの?すぐに寝なくて大丈夫?」「いや、この大荷物だけじゃなくて、マンションの宅配ボックスに私の荷物がいっぱい届いてるから、それを持ってあがるのも手伝って欲しいし」・・・今回のことで、すっかり甘え癖がついてしまったようである。
親友は、「退院の時にはやっぱり花束よね。天皇陛下のニュースみてそう思ったのよ」とフリージアの花と、腸に優しい甘味として和菓子をプレゼントしてくれた。フリージアの香りにつつまれ、みんなでティータイム。届いていた肩こり対策のマッサージャーをみんなでお試し。けっこう優れもの。
その後友人達は帰宅し、宅配ボックスに届いていた荷物の整理。その中に、アマゾンや楽天からではない荷物もあった。ちょうど去年の今頃、東京ディズニーパークでのオフ会でご一緒したファミリーからのお見舞いの品物だった。息子さんが、その時の写真、映像を駆使してDVDを作成してくれたものが同梱されており、早速拝見。大好きなディズニーの風景とあの音楽。そこに映し出される嬉しさ満面のじぶんの笑顔。感無量だった。
又従姉妹が、夕食前にどっさりと差し入れを持ってきてくれた。彼女が、乳がんを克服するためにいきついた免疫力を高めるための食生活にシフトするための食料品。まずは、今すぐ食べられるようにと長岡式酵素玄米ご飯。お漬け物、ふりかけ、有機野菜、無農薬玄米、こだわりのお味噌、醤油、ドレッシングなどなど。この酵素玄米ご飯、ちょっと塩味があってとても美味しかった。
その後、私の手術前の腫瘍マーカーや直近の血液データを見ながら、今後の治療への取組についてアドバイスを受ける。「白血球の中のリンパ数の割合、リンパ球数があがれば免疫力が高まっている証拠。その時その時で変動はあるが、経時的に見て徐々に減少するのが一番危険。医師はあまり気にしないことがあるので、自分でその検査を依頼しモニタリングしていくこと。」自分の感覚的な体調の善し悪しも、もちろん大事だけど、客観的な指標を見ていくことも大切ということらしい。確かに、ダイエットしてる時には、体重測定って必須。それと一緒なんだろう。私の手術前の腫瘍マーカーCEAは35,7。基準値5未満を大幅にオーバー。(ちなみにCA19-9は基準値内の3.6。)今はどうなっているのかな?化学療法始まる前の採血結果が楽しみである。3月1日の白血球分類のリンパ球は26.6%。今後はこの値を35〜40%に入るよう目指さないといけない。総リンパ球数は1758。これを2000〜3000にキープするのが目標。ちょっとゲーム感覚で楽しみ。検査データでたらその都度Tweetしてたりして。(笑)
その後、入院の荷物を整理。もう日付が変わりかけている。早寝早起きをすべきなのだろうなぁと思いつつ、ある程度整理しておかないと翌日目が覚めたときにうんざりするのは嫌なので、片付けた。免疫力を上げるためには、早寝をすべきなのか、うんざりとした感情を回避すべきなのか?長年築いた性格は易々とは変えらないが、考え方は変えられる。「翌日にできることは、今日はしなくていい」が正解だったのかもなぁ。
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